「勇気凛々」りんこのブログ

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天皇陛下の終戦の玉音放送

宮内庁が、天皇陛下の終戦の玉音放送をHPに公開した。音だけでなく文章のPDFもある。

終戦の玉音放送 - 宮内庁

私は、玉音放送の全文を聞いたのは、これが初めてである。知っているのは、ポツダム宣言を受諾することを決め、天皇が無条件降伏することをラジオで国民に放送したということ。そして、テレビドラマの設定が戦時中の時に、ラジオでの「堪えがたきを堪え、忍びがたきを忍び」のフレーズを聞いたことしかなかった。

 

全文を聞いて、まずは、これは、もしも私が当時聞いたら、この放送が何を意味しているかをはっきりとはわからなかったのではないか、ということ。とにかく難しい。知らない単語が次々と出てくる。宮内庁は音と一緒にその文章も載せてくれているのでなんとなく内容はわかるが、はっきりとはわからない。

 

これはアメリカに占領される前に、当時の日本政府自身が作成したものなので、内容を見るのは興味深い。

2文目の、「朕は帝国政府をして米英支蘇四国に対し其の共同宣言を受諾する旨通告せしめたり。」(ここではあえてわかりやすいようカタカナをひらがなに変更した。)

この文が、ポツダム宣言天皇が受諾した、という意味、無条件降伏を受け入れた、すなわち「戦争に負けた」という意味だと当時の人にはわかったのだろうか?

 

また、今回初めて知ったのは、長崎・広島の原爆についての文があることである。

「敵は新たに残虐なる爆弾を使用して頻に無辜を殺傷し惨害の及ぶ所真に測るべからざるに至る」

民間人(まさに無辜)をアメリカが殺戮したことについてここに述べている。

原爆についての文で、このまま戦争を継続すると日本民族が滅亡するだけではなく人類の文明も破却...と続く。

8月6日に広島、8月9日に長崎に原爆が投下された後、まだ10日も経っていないのだから、かつてない殺傷力を持ち、傷を負った人の治療方もわからない、新しい爆弾に対する当時の日本政府の恐怖が伝わってくる。

アメリカ政府・原爆を投下したエノラゲイの乗員は、「これが戦争を終わらせたのだ」と原爆投下を正当化しているが、東京大空襲と同様、民間人を大量に殺傷することは、許されない。

 

当時のラジオの音は悪かっただろうし、国民がこれで、「戦争に負けた」とわかった、というのは不思議だ。

おそらく、まずは「天皇陛下の放送があるのでラジオを聞くように」ということが伝えられ、放送の後に「戦争に負けた」ということが伝えられたのではないか。

 

また、改めて感じるのは、昭和天皇は、今の平成天皇との話し方が大きく違うところ。神として育った昭和天皇はご自分のことを「朕」といい(ただし戦後はそれを聞いていない気がする。神でなく象徴となられたからか。)、「あぁ、そう。」というあいづちで有名だった。自分より上の存在がないということで、使える言葉に制約があったそうだ。(○○してください。などの「頼む」表現ができないので、「希望します」とおっしゃっていた。)

 

毎年8月になると、テレビでの戦争の番組が増える。8月15日には、甲子園でも黙とうがある。私は子どもの頃からテレビで映しだされる白黒の戦争が怖くてこの時期を嫌ってはいたが、年に一度ではあるが、この時期をとらえて戦争の悲惨さを伝えることは重要だ。

 

特に最近は、新しい歴史的事実があきらかになってきている。

例えば、真珠湾攻撃をアメリカは知っていた、ということ。アメリカは、日本を徹底的にたたく機会を待っており、しかし、国民に対して戦争をする理由がほしかった。そこで、空母真珠湾から他へ写し、日本が攻撃するのを待っていた、ということ。

本の学校への給食に、米ではなくパンと牛乳が導入されたのは、その後日本に、小麦を輸入させるため。米食の日本人に、パン食の習慣をつけさせたこと。

 

イラク大量破壊兵器がある、としてアメリカが攻撃し、イラクの多数の民間人も殺された。しかし、その前提の情報自体が誤っていたことは記憶に新しい。

 

日本は学校教育で、「日本が真珠湾を先に攻撃したから、悪かった」と教えられている。しかし前述のように、原爆で民間人を殺傷したことがそれで正当化されるものではない。

アメリカが戦後日本とよい関係を作ろうとしたのは、ソ連との冷戦で日本が位置的に重要な場所にあったからであり、日本や日本人が好きだからではない。戦前、白人多数の国々の中に日本だけアジアの国が負けじと軍備を持っていたのが気にくわず、軍備の制限を持ち出して孤立化させ、戦争に追いこんだのだ。

日本も老獪な国々に負けないよう、外交を強くし、国益を考えて、戦争をさけられるようになってほしい。

 

第二次大戦で犠牲となった人たちのご冥福をお祈りする。

 

終戦の玉音放送の口語訳

終戦の詔勅(玉音放送)口語訳